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ポータブル電源を買おうと決めたあと、多くの人が最後に迷うのが容量です。500Whでいいのか、1000Whは必要か、それとも2000Whまで見ておくべきか。価格は容量にほぼ比例するので、ここの判断がそのまま出費に直結します。
結論:この4つを押さえれば、容量は自分で決められます
先に結論です。
- 必要なWh = 消費電力(W)× 使いたい時間(h)。動かしたい家電を3つ決めるところから
- 変換ロスで約15%目減りする。カタログの数字がそのまま使えるわけではない
- 電子レンジやドライヤーを使いたいなら、容量より先に「定格出力(W)」を見る
- 迷ったら1000〜1500Wh帯。ただし重量も一緒に確認する
これで足りる方は、この先は読まなくて大丈夫です。以下はそれぞれの根拠です。
容量選びでつまずくのは、だいたいこの3つ
- 500Whと1000Whで何が変わるのか、カタログを見ても分からない
- 「スマホ◯回充電」と書いてあるが、自分が使いたいのは冷蔵庫
- 大は小を兼ねると思って大きいものを買うと、価格も重量も跳ね上がる
この記事では家電別の早見表と、カタログの数字がそのまま使えない理由を整理します。
Wh(ワットアワー)とは何か
ポータブル電源の容量は Wh で表されます。読み方はシンプルで、
消費電力(W)× 使いたい時間(h)= 必要なWh
たとえば消費電力50Wの扇風機を10時間動かしたいなら、50 × 10 = 500Wh です。
家電の消費電力は本体の裏か側面のラベル、または取扱説明書に書いてあります。まずは自分が停電中に動かしたいものを3つだけ挙げるところから始めるのが現実的です。
家電別・必要な容量の早見表
主な家電の消費電力の目安と、それを動かすのに必要なWhをまとめました。機種によって幅があるため、あくまで目安としてご覧ください。
| 家電 | 消費電力の目安 | 使いたい時間 | 必要なWhの目安 |
|---|---|---|---|
| スマートフォン充電 | 約15W | 1回(約2時間) | 約30Wh(=1回分) |
| ノートPC充電 | 約45W | 1回 | 約50Wh |
| LEDランタン | 約5W | 10時間 | 約50Wh |
| 扇風機 | 約30〜50W | 10時間 | 約300〜500Wh |
| 冷蔵庫(家庭用) | 約100〜150W ※ | 24時間 | 約600〜900Wh ※ |
| 電気毛布 | 約50W | 8時間 | 約400Wh |
| 電子レンジ | 約1000〜1500W | 5分 | 約100Wh |
| ドライヤー | 約1200W | 5分 | 約100Wh |
| エアコン(6畳) | 約500〜900W | 1時間 | 約500〜900Wh |
※ 冷蔵庫は常時フルパワーで動いているわけではなく、コンプレッサーが断続的に動きます。そのため24時間の実消費は連続換算より小さくなります。表の数字は稼働率を見込んだ目安です。
約30Wh
約50Wh
約400Wh
約300〜500Wh
約600〜900Wh
記事中の早見表と同じ数字です。機種によって幅があるため、あくまで目安としてご覧ください。
カタログの数字がそのまま使えない、2つの理由
ここが最も見落とされやすい部分です。1000Whのポータブル電源で1000Wh分の家電が動くわけではありません。
1. 変換ロスがある
ポータブル電源の内部は直流ですが、家庭用のコンセントは交流です。この変換のときに電力が失われます。変換効率は一般に85%前後とされており、つまり1000Whの表示に対して実際に使えるのは850Wh程度です。
2. 定格出力の壁がある
容量(Wh)とは別に、同時に取り出せる電力の上限(定格出力・W)があります。ここが足りないと、容量が十分でも家電が動きません。
たとえば「容量1000Wh・定格出力600W」という製品の場合、消費電力1200Wのドライヤーはそもそも動きません。容量には余裕があるのにです。
電子レンジ・ドライヤー・IH・エアコンを使いたい場合は、容量より先に定格出力を確認してください。
容量別・現実的な目安
以上を踏まえた、ざっくりした目安です。
| 容量 | できること | 向いている人 |
|---|---|---|
| 〜300Wh | スマホ数回・照明・小型機器 | 一人暮らし。「連絡手段と灯りが確保できれば十分」 |
| 500〜700Wh | 上記+扇風機や電気毛布を一晩 | 停電が半日〜1日程度で復旧する地域 |
| 1000〜1500Wh | 上記+冷蔵庫を1日程度 | 子どもや高齢の家族がいる世帯。最も選ばれる帯 |
| 2000Wh〜 | 上記+電子レンジやエアコンを短時間 | 停電が長引きやすい地域。ただし重量が20kg超になる |
なお容量が大きくなるほど重くなります。1000Wh級で10kg前後、2000Wh級では20kgを超えるものもあります。「持ち出す」用途を想定しているなら、この点は先に確認しておいたほうが後悔しません。
買う前に確認する5項目
| # | 確認すること | なぜ |
|---|---|---|
| 1 | 定格出力(W) | ここが足りないと、容量に余裕があっても家電が動きません |
| 2 | 重量(kg) | 持ち出す想定があるなら最優先。1000Wh級で10kg前後 |
| 3 | 電池の種類 | リン酸鉄リチウム(LiFePO4)はサイクル寿命が長い傾向とされます |
| 4 | 出力ポートの種類と数 | AC・USB-C・シガーソケット。同時に何をつなぐか |
| 5 | 保証期間 | 数年単位で置いておくものなので、保証の長さは効いてきます |
1番の定格出力は、カタログの目立つところに書かれていないことがあります。仕様表まで見てください。
容量(Wh)= バケツの大きさ
- どれだけ貯められるか
- 足りないと途中で切れる
- 価格と重量に直結
定格出力(W)= 蛇口の太さ
- 同時に取り出せる電力の上限
- 足りないとそもそも動かない
- 電子レンジ・ドライヤーはここを見る
容量1000Wh・定格出力600Wの製品では、消費電力1200Wのドライヤーは動きません。容量に余裕があってもです。
こんな方には向かないかもしれません
- 停電中にエアコンを長時間つけたい方 — ポータブル電源では現実的でありません。蓄電池の検討をおすすめします
- 持ち出して使いたい方で、大容量を検討している方 — 20kgを一人で運ぶのは想像以上に大変です
- すでにモバイルバッテリーを複数持っていて、目的がスマホ充電だけの方 — 買い足す必要は薄いかもしれません
ポータブル電源では難しい
- 停電中にエアコンを長時間つけたい
- 大容量を持ち出したい(20kg超になります)
ポータブル電源が向く
- スマホ・照明・扇風機を確保したい
- 冷蔵庫を1日程度動かしたい
- 賃貸で工事ができない
よくある質問
Q. パススルー(充電しながら給電)はできますか A. 対応機種と非対応機種があります。停電時ではなく普段使いで効いてくる機能です。
Q. 何年くらい使えますか A. 電池の種類で差が出ます。リン酸鉄リチウム(LiFePO4)はサイクル寿命が長い傾向にあるとされ、近年の防災向けモデルはこの方式が増えています。
Q. 使わない期間はどう保管しますか A. 満充電のまま長期放置も、空のまま放置も避けるのが一般的です。半年に1回程度は充電状態を確認する運用にしておくと、いざというときに残量ゼロという事態を避けられます。カレンダーに入れておくのが確実です。
Q. ソーラーパネルは必要ですか A. 停電が数日続いた場合は充電手段がないと使い切って終わりになります。ただし優先度としてはまず本体、余裕があればパネルの順で問題ありません。
まとめ
- 必要なWh=消費電力(W)× 使いたい時間(h)。動かしたい家電を3つ決めるところから
- 変換ロスで約15%目減りする。カタログの数字がそのまま使えるわけではない
- 電子レンジ・ドライヤーを使いたいなら、容量より先に「定格出力」を見る
- 迷ったら1000〜1500Wh帯。ただし重量も確認する
容量は「大は小を兼ねる」ですが、そのぶん価格と重量が上がります。自宅の停電が過去にどのくらい続いたかを思い出してみると、判断しやすくなります。
動かしたい家電が3つ挙げられて、必要なWhが計算できていれば、選ぶ準備は整っています。あとは予算と重量の折り合いをつけるだけです。
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