家族4人の防災セット|市販セットに「足りないもの」を書き出した

家族4人の防災セットで市販セットに足りないものを書き出した記事のタイトル画像 防災セット

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「防災セット、そろそろ買っておかないと」と思って検索すると、30点セット・44点セットといった商品がたくさん出てきます。ただ、家族4人だとここで手が止まります。4セット買えばいいのか、それとも1つ買って足りない分を買い足すのか。

防災リュックを開けた状態。アルファ米、5年保存の缶パン、簡易トイレ、アルミの保温シートなどが入っている
編集部が私物として用意している1人用の防災リュックの中身です。この記事で紹介している商品ではありません。市販セットに何が入っているかの参考としてご覧ください。

結論:この4つで、買いすぎずに揃います

先に結論を書きます。

図:買いすぎずに揃える4つ

  • 4セット買わない。大きめのセットを1〜2つにして、足りないものだけ買い足す
  • ラジオ・工具・給水袋は共有できる。人数分買うと重くなるだけ
  • 水・食料・簡易トイレ・衛生用品は人数分。特に簡易トイレは4人3日で約60回分
  • 市販セットには「避難所で暮らす」道具が入っていない。ガムテープ・銀マット・サンダル・手袋・ラップ
  • 子ども用品もセットに入っていない。サイズが変わるので年1回見直す

ここまでで足りる方は、この先を読まずに買い物へ進んでいただいて構いません。

「あれもこれも必要」と言われて、手が止まる

防災セットを調べていて手が止まるのは、だいたいこの3つです。

  • 必要なものリストが長すぎて、どこまでやれば終わりなのか分からない
  • 市販セットを買っても「足りない」と書かれていて、結局いくらかかるのか読めない
  • 家族4人だと4セット必要なのか、判断がつかない

この記事では「人数分必要なもの」と「1つで足りるもの」を分けて、買わなくていいものまで書きます。

まず前提:何日分を用意するか

内閣府は家庭での備蓄について、最低3日分、可能であれば7日分を目安として示しています(出典: 内閣府「防災情報のページ」)。

ただし防災セット(持ち出し用のリュック)と、家に置いておく備蓄は役割が違います。

持ち出し用(防災リュック) 在宅備蓄
使う場面 家を出て避難する 家にとどまる
量の目安 1〜2日分 3〜7日分
置き場所 玄関・寝室の近く 押入れ・パントリー
重さの制限 背負える重さまで なし

市販の「防災セット」はほぼ持ち出し用です。ここを混同すると「セットを買ったのに水が2本しか入っていない」と戸惑うことになりますが、背負う前提なので当然そうなります。

まず持ち出し用を人数分そろえ、そのあと在宅備蓄を積む、という順番が現実的です。

市販セットで「1つあれば足りるもの」

家族で1つ持っていれば共有できるものです。人数分買うと、そのぶん重くなるだけになります。

  • ラジオ(手回し充電式)
  • 懐中電灯 ※ ただし大人の人数分はあったほうがいい(別行動になる場面がある)
  • 給水袋
  • ロープ・軍手(軍手は人数分あってもよい)
  • 万能ナイフ・工具類
  • レジャーシート
  • 救急セット

市販セットで「人数分ないと困るもの」

ここが買い足しの対象です。

品目 理由
共有できない。1人1日3Lが目安(飲用+調理)
非常食 1人1日3食 × 日数
簡易トイレ 最も見落とされる。1人1日5回として計算する
アルミブランケット 体温維持は個人単位
マスク・ウェットティッシュ 衛生用品は共有しにくい
常備薬 家族それぞれ違う
下着・靴下の替え 個人単位

非常食は4人家族の3日分で36食になります。アルファ米は水かお湯を注ぐだけで食べられ、1食ずつ個包装なので人数と日数から数を合わせやすいのが利点です。ご飯もの以外も用意しておくと、続けて食べるときに飽きにくくなります。

アルファ米の非常食を見る

簡易トイレの必要数の出し方は、簡易トイレは何回分いる?家族の人数と日数で計算する早見表で詳しく書いています。

簡易トイレは特に見落とされがちです。4人家族で3日分なら 4人 × 5回 × 3日 = 60回分。市販セットには数回分しか入っていないことがほとんどなので、ここは必ず買い足しになります。

見落としやすいのは「避難所で暮らす」ための道具

ここがこの記事でいちばん伝えたい部分です。

市販の防災セットは、「家から持ち出す」ことを想定して作られています。水・食料・ライト・ラジオ。 どれも必要なものです。ただ、実際に避難所に着いたあと、そこで数日過ごすための道具は、 セットにほとんど入っていません。

次の5つは安くて軽いのに、あるとないとで生活の質がはっきり変わります。

品目 避難所で何に使うか
ガムテープ(布) 段ボールの固定、破れたものの補修。ちぎって名前を書けるので、荷物や場所の目印にもなる
銀マット(アルミの断熱シート) 床の底冷えを防ぐ。体育館や公民館の床は、季節を問わず驚くほど冷えます
サンダル 避難所内での移動と、夜中にトイレへ行くとき。靴を履き直さずに済む
手袋(軍手・作業用) 片付け、割れたガラスの処理、荷物の運搬
ラップ 食器にかけて使えば、洗わずに済む。断水しているときに効きます

ラップは意外に思われるかもしれませんが、断水中は「洗い物ができない」ことが地味に効いてきます。 皿にラップを敷いて食べ、使ったラップだけ捨てれば、水を使わずに繰り返し使えます。

いずれも普段から家にあるものです。買い足すというより、防災リュックに一組移しておくという 感覚で用意できます。

図:共有できるもの/人数分いるもの

1つあれば足りる

  • ラジオ(手回し充電式)
  • 給水袋
  • ロープ・工具類
  • レジャーシート
  • 救急セット

人数分ないと困る

  • 水(1人1日3L)
  • 非常食(1人1日3食)
  • 簡易トイレ
  • アルミブランケット
  • 衛生用品・常備薬・下着

懐中電灯だけは例外で、大人の人数分あったほうが安心です(別行動になる場面があります)。

子どもがいる家庭で、セットに入っていないもの

市販の防災セットは基本的に成人を想定しています。子どもがいる場合、次のものは自分で足す必要があります。

図:子どものいる家庭で、市販セットに足すもの

  • 粉ミルク・液体ミルク・哺乳瓶 液体ミルクは調乳が不要で断水時に強い
  • おむつ・おしりふき サイズが変わるのでローリングストックで回す
  • 子ども用の着替え 成長するため年に1度は入れ替える
  • 食べ慣れたおやつ 環境が変わったときに子どもが安心する材料になります
  • 母子健康手帳・保険証のコピー

子ども用品はサイズと月齢が変わるため、入れっぱなしにできません。誕生日など、年1回見直す日を決めておくと忘れにくくなります。

子ども用品はサイズと月齢が変わるのが厄介なところです。「入れっぱなしにできない」という点で、大人用の備蓄とは管理の仕方が変わります。 誕生日など、年に1回見直す日を決めておくと忘れにくくなります。

ペットがいる家庭

避難所によってはペットの受け入れ条件が異なります。お住まいの自治体の避難所がどう対応しているかは、事前に確認しておくと判断が早くなります。

図:ペットがいる家庭で用意するもの

  • フード(数日分)と水
  • リード・キャリー
  • ペットシーツ
  • 常用薬
  • ワクチン接種証明のコピー

避難所によってペットの受け入れ条件が異なります。お住まいの自治体の避難所がどう対応しているかは、事前に確認しておくと判断が早くなります。

ペット用にひととおりまとめられた防災バッグもあります。何から用意すればいいか分からないときは、中身の目安として見てみると早いです。

ペット用にまとめられた防災バッグを見る


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買うか、自分で揃えるか

市販セットを買う 自分で揃える
手間 少ない かなりかかる
価格 1万〜2万円台(30〜44点) 個別に買うと割高になることも
自由度 低い(不要品も入る) 高い
向いている人 まだ何も用意していない人 すでに一部持っている人

まだ何も用意していない状態なら、市販セットを起点にするほうが早く形になります。「完璧に揃えてから」と考えると、たいてい先延ばしになるためです。

セットを選ぶときに見ておきたいのは、点数の多さより次の3点です。

  1. リュックの背負いやすさ(実際に背負うのは自分です)
  2. 水と食料の消費期限(買った時点で残り何年か)
  3. 簡易トイレが何回分入っているか(ほぼ足りません)


買う前に確認する5項目

# 確認すること なぜ
1 リュックを実際に背負えるか 背負うのは自分です。重さと肩ベルトの幅を見る
2 水と食料の消費期限(買った時点で残り何年か) 残り1年の在庫が届くこともあります
3 簡易トイレが何回分入っているか ほぼ足りません。買い足す前提で計算する
4 玄関か寝室に置ける大きさか 押入れの奥にしまうと取り出せません
5 すでに家にあるものと重複していないか 懐中電灯・ラジオ・救急セットは持っている家庭が多い

5番が最も無駄を減らします。買う前に一度、家にあるものを見てください。

マンション高層階の方へ

住まいによって優先度は変わります。マンションの高層階では、避難よりも在宅避難のほうが現実的とされることがあります。その場合は持ち出しリュックを軽めにして、在宅備蓄(水・食料・簡易トイレ)を厚くするほうが実態に合います。エレベーターが止まる前提で、階段の上り下りをどれだけ減らせるかが判断の軸になります。

図:4人家族・3日分だとどれくらい必要か

水(1人1日3L)

36L

食事(1人1日3食)

36食

簡易トイレ(1人1日5回)

60回分

記事中の目安から計算した数字です。簡易トイレは市販セットに数回分しか入っていないことがほとんどなので、ここは必ず買い足しになります。

こんな方には向かないかもしれません

  • すでに一通り揃えている方 — セットを買うと重複します。足りないものだけ買い足すほうが合理的です
  • 一人暮らしの方 — この記事は4人世帯向けです

  • 収納場所が限られている方 — 44点セットはそれなりの体積があります。玄関に置けるかを先に確認してください
図:市販セットを買う/自分で揃える

自分で揃える

  • 手間がかなりかかる
  • 個別に買うと割高になることも
  • すでに一部持っている人向け

市販セットを買う

  • 手間が少ない
  • 1万〜2万円台(30〜44点)
  • まだ何も用意していない人向け

「完璧に揃えてから」と考えると、たいてい先延ばしになります。

よくある質問

Q. 防災セットはどこに置くのがいいですか A. 玄関の近くか寝室が一般的です。押入れの奥にしまうと、いざというときに取り出せません。

Q. 中身の入れ替えはどのくらいの頻度で A. 食品と水は消費期限、電池は液漏れの確認、子ども用品はサイズ。年に1回、日を決めて見る運用にしている家庭が多いようです。防災の日(9月1日)や3月11日を目印にする方法もあります。

Q. 4人家族なら4セット買うべきですか A. 記事の前半で書いたとおり、ラジオや工具は重複します。大きめのセット1〜2つ+人数分の水・食料・簡易トイレ・衛生用品という構成のほうが、重さと費用のバランスが取りやすくなります。

Q. 実家の親にも用意してあげたいのですが A. 高齢の方は重いリュックを背負えないことがあります。持ち出し用は軽めにして、在宅備蓄を厚くするほうが現実的な場合があります。

まとめ

図:この記事の要点

  • 持ち出し用(1〜2日分)と在宅備蓄(3〜7日分)は役割が違う。市販セットは持ち出し用
  • ラジオ・工具は共有できる。水・食料・簡易トイレ・衛生用品は人数分
  • 簡易トイレは4人3日で約60回分。市販セットではまず足りない
  • 子ども用品はサイズが変わる。年1回見直す日を決めておく
  • 何も持っていないなら、市販セットを起点にするほうが早く形になる

すべてを一度に揃える必要はありません。水と簡易トイレだけでも先に用意しておくと、そこから積み上げやすくなります。

この5点が押さえられていれば、家庭の備えとしては一区切りです。あとは年に1回、日を決めて中身を見るだけになります。


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このサイトを書いている人

防災備蓄おじさん/防災備蓄ナビ

2011年の東日本大震災で両親が被災し、1週間を車の中で過ごしました。当時、実家には備蓄が何もありませんでした。それをきっかけに、東京の自宅と実家で同じものを備蓄し、気づいたことを共有してきました。その過程で分かったことをまとめています。

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