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人間用の防災セットは用意したものの、ペットの分は「フードとキャリーがあればいいだろう」で止まっている。よくある状態だと思います。
調べても「あれもこれも必要」と並ぶばかりで、何をどれだけ、どの順番で揃えればいいのかが分かりません。この記事では、環境省が示している「持ち出す際の優先順位」をもとに整理します。
結論:優先順位は3段階。フードと水は5日分から
- 優先順位1|命に関わるもの 療法食・薬、フードと水、キャリー、リード、トイレ用品
- 優先順位2|情報 連絡先、写真、ワクチン接種状況や持病の記録
- 優先順位3|ペット用品 タオル、ビニール袋、おもちゃ、洗濯ネット、ガムテープ
環境省のガイドラインが「持ち出す際の優先順位の例」として3段階で示しているものです。一度に全部を揃える必要はなく、1から順に埋めれば形になります。
フードと水の量には、はっきりした目安が書かれています。「少なくとも5日分、できれば7日分以上」です。
人間用より長めに要る
ここは見落としやすいところです。当サイトの他の記事では、人間の備蓄は3日分(可能なら7日分)を目安としてきました(内閣府)。ペットの場合、環境省のガイドラインが挙げている目安は「少なくとも5日分、できれば7日分以上」です。
| 目安 | 出典 | |
|---|---|---|
| 人間 | 3日分(可能なら7日分) | 内閣府「防災情報のページ」 |
| ペット | 少なくとも5日分(できれば7日分以上) | 環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」 |
「人間と同じ日数分を用意すれば足りる」と考えていると、ペットの分だけ不足します。まずここを合わせてください。
優先順位1:命に関わるもの
持ち出すものを1つに絞れないとき、最初に手に取るのはここだと決めておくと迷いません。
- 療法食、薬 持病があるなら最優先です。代わりがききません
- ペットフード、水 少なくとも5日分(できれば7日分以上)
- キャリーバッグやケージ 猫や小動物には避難時に欠かせないとされています
- 予備の首輪、リード 伸びないタイプが挙げられています
- ペットシーツ、排泄物の処理用具、トイレ用品 猫は使い慣れた猫砂(使用済みの一部でも)
- 食器
環境省ガイドラインの「優先順位1 動物の健康や命に係わるもの」より整理。
猫のトイレについて「使い慣れた猫砂、または使用済猫砂の一部」と書かれているのが具体的です。慣れない場所では排泄しないことがあるため、匂いのついたものを少し持っていく、という発想です。
優先順位2:情報(ここは自分で作るしかない)
この段は、市販の防災セットでは埋まりません。飼い主とその子に固有の情報だからです。
連絡・身元
- 飼い主の連絡先
- ペットに関する緊急連絡先・預け先の情報
- ペットの写真(印刷したものと、携帯電話の画像の両方)
健康
- ワクチン接種状況
- 既往症
- 投薬中の薬の情報
- 検査結果・健康状態
- かかりつけの動物病院の情報
写真を「印刷物と携帯の画像の両方」としているのは、停電でスマホが使えなくなる場面を想定しているためです。はぐれたときに人へ見せられる紙が1枚あるかどうかで変わります。
なお、環境省のガイドライン巻末にはペットと飼い主の情報を書き込む記入シートが付いています。名前・毛色・体重・マイクロチップ番号・鑑札番号・ワクチン接種日・既往症・性格・特徴などの欄があり、印刷して防災グッズと一緒に保管する形になっています。ゼロから作るより早いので、一度目を通しておくと手間が減ります。
優先順位3:ペット用品(後回しでよい)
ここは「後から足せばよいもの」として位置づけられています。最初から完璧に揃えようとして手が止まるくらいなら、1と2を先に埋めてください。
挙げられているのは、タオル・ブラシ、ウェットタオルや清浄綿、ビニール袋、匂いのついたお気に入りのおもちゃ、洗濯ネット、ガムテープやマジックなどです。
このうち洗濯ネットとガムテープは、用途を知らないと入れようと思わないものです。ガイドラインでは、洗濯ネットは猫の屋外での診療や保護の際に有用、ガムテープとマジックはケージの補修・段ボールでのハウス作り・動物情報の掲示など多用途に使える、と説明されています。
市販のペット防災セットは、どこを埋めてくれるか
ここまでの3段階が分かると、市販セットの位置づけがはっきりします。
たとえばペット用防災バッグを販売しているPaws&Prepは、公式のよくある質問で次のように書いています。
当社の防災グッズでは長期保存の観点および、ペットそれぞれの食の好みを鑑みて食料品は含まれません。防災バッグには、普段与えているフードを常備ください。
Paws&Prep 公式FAQ
つまり最優先であるフードと水は、市販セットには入っていません。これは商品の欠点ではなく、そう設計されているということです。ペットの食の好みは個体ごとに違い、慣れないフードは災害時に食べないことがあるため、理にかなった作りだと言えます。
市販セットで埋まりやすい
- バッグそのもの
- 優先順位3のペット用品(タオル・ビニール袋など)
- 個人では揃えにくい細かな備品
自分で足す必要がある
- フードと水(優先順位1・最優先) 普段与えているものを5〜7日分
- 療法食・薬(優先順位1) その子専用のもの
- 情報一式(優先順位2) 連絡先・写真・健康記録
「セットを買えば終わり」ではなく、「セットを買って、1と2を自分で足す」が正しい順番になります。
※この商品の10点の内訳は、公式ページに一覧では掲載されていません(2026-08-16時点)。購入前に内容をご確認ください。
猫は、キャリーに慣らすところから
用品を揃えても、当日キャリーに入らなければ持ち出せません。ガイドラインには、猫をケージに慣らす手順が段階的に示されています。
1回で終わらせず、繰り返しながら進める手順として示されています。
避難のときは、キャリーの扉が開いて逃げないよう、ガムテープなどで固定するとよいともされています。優先順位3のガムテープが、ここで効いてきます。
キャリーに慣れても、当日は防災バッグも一緒に運ぶことになります。両手をどう空けるかは、ペットの同行避難で荷物をどう分けるかにまとめました。
犬と猫で変わるところ
| 確認しておくこと | |
|---|---|
| 犬 | 鑑札と狂犬病予防注射済票の装着は狂犬病予防法で義務とされています。首輪と迷子札、リードの点検もあわせて。小型犬はリードをつけた上でキャリーやケージに入れる形が示されています |
| 猫 | 首輪は力が加わると外れるタイプが使われることがあり、その場合はマイクロチップの装着が強く推奨されています。できる限り室内で飼うことも挙げられています(放し飼いだと災害時に行方不明になることが多いため) |
避難所に連れて行けるかは、事前に調べる
ガイドラインの「情報収集と避難訓練」には、ペットの受入れが可能な指定避難所を把握しておくことが挙げられています。あわせて、避難所が被災していた場合の二次避難先や、事情によりペットの同行ができなくなった場合の預け先まで想定しておくよう書かれています。
預け先については、「親戚や友人など、複数の一時預け先を探しておくことが望ましい」とされています。1か所だけだと、そこが同時に被災したときに行き先がなくなります。
こんな方には向かないかもしれません
別の記事のほうが合います
- 人間側の備えがまだできていない(先にそちらから)
- 避難所での過ごし方そのものを知りたい
- すでに優先順位1〜3を揃え終えている
この記事の内容で足ります
- ペットの分を何から始めるか決めたい
- フードや水をどれだけ備えるか知りたい
- 市販のペット防災セットを買うか迷っている
よくある質問
Q. フードは何日分あればいいですか
A. 環境省のガイドラインでは「少なくとも5日分、できれば7日分以上」が挙げられています。人間用の3日分より長めです。
Q. 市販のペット防災セットを買えば足りますか
A. 足りません。最優先のフード・水と、飼い主固有の情報は、自分で足す必要があります。市販セットはバッグと汎用品を一度に揃えるためのものと考えてください。
Q. 何から手をつければいいですか
A. 優先順位1からです。持病がある場合は療法食と薬、次にフードと水を5〜7日分。ここまでで形になります。
Q. 多頭飼いの場合はどうなりますか
A. フードと水は頭数分で計算します。キャリーも頭数分必要です。避難所の受入れ条件が頭数によって変わることもあるため、事前の確認をおすすめします。
まとめ
- 持ち出す優先順位は3段階(命に関わるもの→情報→ペット用品)。1から埋めれば形になります
- フードと水は少なくとも5日分、できれば7日分以上。人間用の3日分より長めです
- 優先順位2の「情報」は市販セットでは埋まりません。連絡先・写真・健康記録は自分で用意します
- 市販セットにフードは入っていないことがあります(メーカーが意図的にそうしています)
- 猫はキャリーに慣らすところから。用品が揃っていても、入らなければ持ち出せません
まず、優先順位1の「療法食・薬」と「フード・水5日分」から始めてください。そこまでで、いちばん大きい部分は埋まります。




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