ポータブル電源の処分方法|メーカーの無料回収と自治体の大型ごみ、費用と条件を比べました

使い終わったポータブル電源を段ボール箱に梱包して、メーカーの回収サービスへ送る準備をしている様子 防災家電

ポータブル電源を買い替えたい。あるいは、何年も使わないまま置いてある。いざ捨てようとすると、手が止まります。燃えないごみでいいのか。どこへ持って行けばいいのか。自治体のページを見ても「リチウムイオン電池は出せません」としか書かれていない。では、どうすればいいのか。そこまでは書かれていないことがあります。

結論を先に書くと、まずメーカーの無料回収を確認するのが早いです。Jackery・EcoFlow・BLUETTIはいずれも自社製品を無料で引き取っていますが、対象になる製品も、引き取ってもらえる条件も3社で違います。故障しているもの、中古で買ったもの、ソーラーパネルまで含めるかどうかで、答えが変わります。

3社の公式ページと自治体の案内は、2026年9月6日に直接確認しました。記載どおりに並べています。推測で補った箇所はありません。

結論:先に確認するのはこの3つ

図:処分先を決める順番

  • ①メーカーの無料回収 Jackery・EcoFlow・BLUETTIは無料で引き取ります(送料は自己負担)。まずここを確認します
  • ②自治体 神戸市は「製造元による回収にご協力ください」としたうえで、難しい場合は有料の大型ごみと案内しています。扱いは自治体ごとに違います
  • ③家電量販店などの回収ボックス JBRCの回収は小型充電式電池が対象で、持ち込みに3つの条件があります。ポータブル電源本体が対象かは店舗で確認が要ります

ただし「無料」には続きがあります。送料は自分で払います。そして3社とも着払いでは受け取ってもらえません。ここだけ先に押さえてください。

普通のごみに出せない理由

札幌市は「リチウムイオン電池は、ごみステーションに出せません!」と明記しています。理由として「外から強い衝撃を加えると、発煙や発火する可能性があり、ごみ収集車やごみ処理施設での火災事故の原因になっています。」と説明されています。

製品評価技術基盤機構(NITE)も、事故を防ぐ「3つのC」の3つ目「正しく捨てる」として、「家電製品を廃棄する際はリチウムイオン電池の使用の有無を確認する」「メーカー回収や自治体の回収区分等の廃棄方法を確認する」を挙げています。

ポータブル電源は、そのリチウムイオン電池を大量に積んだ製品です。中身を取り外すこともできません。だから「電池を抜いて捨てる」ができないぶん、回収の入口を先に決める必要があります。

メーカーの無料回収:3社の条件を並べる

このサイトで比較してきた3社は、いずれも自主回収をしています。同じ「無料回収」でも、中身はかなり違いました。

項目 Jackery EcoFlow BLUETTI
サービス名 ポータブル電源無償回収・リサイクルサービス エコリサイクルサービス(2023年7月18日開始) リサイクルサービス(2024年1月開始)
回収の対象 日本国内で販売されたポータブル電源本体のみ。ソーラーパネルとアクセサリー類は対象外(セット購入分も含まれない) ポータブル電源・エクストラバッテリー・ポータブルエアコン・モバイルバッテリー ポータブル電源本体・ソーラーパネル・アクセサリー品
故障・破損した製品 記載なし 対象と明記(保証期間を過ぎたもの、付属品なしの本体のみも対象) 記載なし
購入元の条件 記載なし 正規取扱店以外で購入した製品・中古で購入した弊社製品も対象 BLUETTI正規販売店での購入が条件(公式サイト、Amazon店、楽天市場店、ヤフー店、コストコオンライン、秋葉原店、上新電機、ビックカメラ、ヤマダデンキグループ)
自治体との関係 記載なし 「お客様のお住まいの自治体にて廃棄可能な場合、自治体での廃棄をお願い致します」 対象条件に「お住まいの自治体で廃棄や回収できない場合」と明記
費用 無料。ただし送料は自己負担 無償。ただし送料は自己負担 無料。ただし送料は自己負担
着払い 不可 不可(元払いのみ) 不可
申し込み方法 公式ページに送付先住所が記載されており、そこへ直接送る サポートへ連絡して案内を受ける(support.jp@ecoflow.com/050-3090-2966 平日10:00-19:00) サポートへメール(sale-jp@bluettipower.com。注文番号を記載)/047-710-7823
各社の公式ページの記載(2026年9月6日確認)。「記載なし」は、公式ページに条件が書かれていなかったという意味です。

読みどころはEcoFlowの対象範囲です。「保証期間を過ぎている製品」「故障・破損している製品」「正規取扱店以外でご購入された製品や中古でご購入された弊社製品」まで対象と明記しているのは3社でここだけでした。壊れて動かないものを引き取ってもらえるかどうかは、捨てる場面ではいちばん効く条件です。

逆にBLUETTIは購入元の条件が明確です。正規販売店で買ったものが対象で、しかも「自治体で廃棄や回収できない場合」が前提に置かれています。順番が逆です。先に自治体を確認してから連絡します。

Jackeryは本体だけが対象です。ソーラーパネルは「ポータブル電源とセットでご購入いただいた」ものであっても、回収対象に含まれません。パネルまで一緒に処分するつもりなら、別の方法を考える必要があります。

ここで名前が挙がった3社の製品は、防災用ポータブル電源のおすすめを比較で容量・重量・保証・リコール情報まで並べています。買い替えを考えているなら、処分の前にこちらを見ておくと、送る順番を決めやすくなります。

自治体に出す場合:神戸市の例と、あなたの市区町村の調べ方

神戸市は「ポータブル電源」を名指ししたFAQを公開しています。回答はこうです。

「製造元による回収にご協力ください。」そのうえで、メーカーによる回収が難しい場合は大型ごみとして出すよう案内しています。大型ごみは事前申込制で有料です(神戸市大型ごみ受付センター 078-392-7953、月曜〜金曜の9時〜16時)。

これは神戸市の案内です。全国共通ではありません。札幌市のように「取り外せない製品は小型家電回収拠点への持ち込みを推奨」としている自治体もあります。自分の市区町村を必ず確認してください。調べ方は次の3手です。

図:自分の自治体の扱いを調べる3手

1

市区町村名と「ポータブル電源」で検索する。名指しのページがあれば、それが答えです
2

無ければ「リチウムイオン電池」「充電式電池」で探す。電池が取り外せない製品をどう扱うかが書かれています
3

それでも分からなければ、ごみの問い合わせ窓口に電話する。製品名・型番・重さを手元に置いて聞くと早いです

家電量販店の回収ボックスは使えるか

「電池は家電量販店の箱に入れればいい」と思っている方は多いはずです。あの箱は、一般社団法人JBRCが回収している小型充電式電池のものです。JBRCは対象をニカド電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池としたうえで、持ち込みに3つの条件を挙げています。

図:JBRCの回収に持ち込める3条件

  • JBRC会員企業製であること
  • 電池の種類が明確であること(ニカド・ニッケル水素・リチウムイオンのいずれか)
  • 破損、水濡れや膨張等の異常のある電池や、外装なしのラミネートタイプの電池ではないこと

ただし、注意点があります。JBRCの案内に、ポータブル電源本体が対象とは書かれていません。対象はあくまで「小型充電式電池」で、数キロから数十キロある本体をそのまま持ち込めるかどうかは、この案内からは読み取れませんでした。店舗に持ち込む前に、その店で引き取れるかを電話で確認してください。

膨らんでいる・熱を持っている場合

異常があるものは、扱いが変わります。JBRCの持ち込み条件では、破損・水濡れ・膨張などの異常があるものは対象外です。一方でEcoFlowは「故障・破損している製品」も回収対象と明記しています。同じ状態のものでも、持ち込み先によって答えが違うということです。

本体が膨らんでいる。熱を持っている。においがする。この状態なら、自分で梱包して送る前に、まずメーカーのサポートに連絡して指示を仰いでください。札幌市が書いているとおり、強い衝撃が発火につながる製品です。

送る前に用意するもの

図:メーカー回収に送るときの手順

1

段ボール箱と緩衝材を用意する 3社とも輸送用の箱は自分で用意します
2

梱包する 輸送中の破損を防ぐため、緩衝材を入れて動かないようにします
3

元払いで送る 3社とも着払いは受け取ってもらえません
4

宛先を確認する Jackeryは公式ページに住所が出ています。EcoFlowとBLUETTIはサポートに連絡して案内を受けます

送料は自己負担です。20kgを超える機種なら、宅配便の料金もそれなりになります。「無料回収」は、引き取り費用が無料という意味です。輸送費まで無料ではありません。

こんな方には向かないかもしれません

この記事はJackery・EcoFlow・BLUETTIの3社について調べたものです。他社の製品をお持ちなら、そのメーカーの公式サイトで回収サービスの有無を確認してください。メーカーによって、そもそも回収を行っていない場合も、条件が違う場合もあります。ここに書いた3社の条件を、他社に当てはめないでください。

また、まだ動く製品を手放すだけなら、処分ではなく譲渡や売却も選択肢です。ただし、リチウムイオン電池の製品は発送方法に制限がかかることがあります。運送会社の規定を先に確認してください。

よくある質問

Q. 費用はいくらかかりますか

A. メーカー回収は3社とも引き取り自体は無料で、かかるのは送料だけです。自治体の大型ごみに出す場合は有料で、金額は自治体ごとに違います。神戸市は事前申込制の有料と案内しています。

Q. 家電量販店で引き取ってもらえますか

A. 店舗によります。回収ボックスはJBRCの小型充電式電池向けで、ポータブル電源本体が対象と明記されているわけではありません。持ち込む前に、その店舗に電話で確認してください。

Q. 中古で買ったものや、保証が切れたものでも回収してもらえますか

A. メーカーによります。EcoFlowは「正規取扱店以外でご購入された製品や中古でご購入された弊社製品」も対象と明記しています。BLUETTIは正規販売店での購入を条件にしています。Jackeryの公式ページにはこの点の記載がありませんでした。

Q. ソーラーパネルも一緒に引き取ってもらえますか

A. BLUETTIは対象に含めています。Jackeryは対象外で、ポータブル電源とセットで購入したパネルであっても回収対象に含まれないと明記しています。

Q. 買い替えを考えています。処分と同時に進めていいですか

A. 順番としては、新しい機種が届いてから古いほうを送るほうが安全です。停電が起きたときに手元に電源が無い期間を作らずに済みます。容量の決め方は何Wh必要かの早見表、2000Wh級の3機種比較は2000Wh級3機種の比較にまとめています。

まとめ

図:この記事の要点

  • ポータブル電源は普通のごみに出せない。札幌市は「ごみステーションに出せません!」と明記
  • まずメーカーの無料回収を確認する。Jackery・EcoFlow・BLUETTIは無料で引き取る
  • 3社とも送料は自己負担で、着払いは受け取ってもらえない
  • 条件は3社で違う。故障品はEcoFlowが明記、購入元の条件はBLUETTIが明記、Jackeryは本体のみが対象
  • 自治体は市区町村ごとに扱いが違う。神戸市はメーカー回収が先、難しければ有料の大型ごみ
  • 膨らみや発熱があるものは、送る前にメーカーのサポートに連絡する

確認した一次情報

出典 この記事で使った内容 確認日
Jackery Japan 公式サイト「ポータブル電源無償回収・リサイクルサービス」 回収対象・費用・着払い不可・送付先・手順 2026年9月6日
EcoFlow Japan 公式サイト「エコリサイクルサービス」 開始日・回収対象製品・故障品や中古品の扱い・費用・元払い・連絡先 2026年9月6日
BLUETTI 公式サイト「BLUETTIリサイクルサービス」 開始時期・対象製品・正規販売店の条件・自治体優先の条件・費用・連絡先 2026年9月6日
神戸市 FAQ「「ポータブル電源」は何ごみで捨てればいいですか?」 製造元回収の優先・大型ごみの扱い・受付センターの連絡先 2026年9月6日
札幌市「リチウムイオン電池はごみステーションに出せません!」 ごみステーションに出せないこと・火災事故の説明・取り外せない製品の扱い 2026年9月6日
一般社団法人JBRC 小型充電式電池リサイクル 回収対象の電池種類・持ち込みの3条件 2026年9月6日
製品評価技術基盤機構(NITE)「3つのC」(令和8年7月15日発表) 「正しく捨てる」で確認するとされている項目 2026年9月6日
本文の条件と数値は、すべて下の出典から直接取得しています。

掲載内容は2026年9月6日時点で確認した情報です。回収の条件・送付先・受付窓口・自治体の扱いは変更される場合があります。手続きの前に、各社の公式サイトとお住まいの自治体の案内をご確認ください。

関連記事

このサイトを書いている人

防災備蓄おじさん/防災備蓄ナビ

2011年の東日本大震災で両親が被災し、1週間を車の中で過ごしました。当時、実家には備蓄が何もありませんでした。それをきっかけに、東京の自宅と実家で同じものを備蓄し、気づいたことを共有してきました。その過程で分かったことをまとめています。

数値の目安は内閣府などの公表資料を出典として示し、不安を煽る書き方はしません運営方針とくわしい経緯

防災家電
防災備蓄ナビ 編集部をフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました