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防災セットを買ったあとで、「子どもの分はどうしよう」と手が止まることがあります。市販のセットは大人1人分を想定したものが多く、子ども向けとして売られているものは種類が限られます。
子どものグッズは、大人用を小さくしただけでは足りません。年齢によって要るものが変わり、しかも1年で変わります。この記事では、何を子ども自身に持たせ、何を親のリュックに入れるかを分けて整理します。
結論:3つに分けると決めやすい
- 子ども自身が持つもの 軽いもの、本人が使えるもの
- 親のリュックに入れる、子どもの分 重いもの、管理が要るもの
- 家に置いておく、子どもの分 持ち出さずに自宅で過ごす場合に使うもの
全部を1つのリュックに詰めると、子どもが背負えない重さになります。分けたほうが選びやすく、見直しも楽です。
「子ども用に何を買うか」から考えると、種類が多すぎて決まりません。誰が持つかを先に決めると、必要なものが自然に絞られます。
大人用の小型版では足りない理由
大人の防災グッズは「自分で判断して使える」ことが前提になっています。説明書きを読んで使い方を理解し、足りないものがあれば代わりの方法を考える。子どもの場合、そこが変わります。
変わるところは3つです。ひとつめは使えるかどうか。ホイッスルやライトは、持たせても押し方を知らなければ使えません。ふたつめはサイズ。マスクも靴も軍手も、大人用は大きすぎて役に立ちません。みっつめは待っている時間の過ごし方で、これは大人用のセットにはそもそも入っていません。
逆に言えば、この3つを足せば足ります。ゼロから子ども用のセットを組み直す必要はありません。
年齢で変わるもの、変わらないもの
| 年齢の目安 | 特に要るもの | 見直す間隔 |
|---|---|---|
| 0〜1歳 | ミルク(液体ミルクを含む)、紙おむつ、おしりふき、抱っこひも | 3〜6か月ごと |
| 2〜5歳 | 着替え、おむつまたは携帯用の便座、食べ慣れたおやつ、絵本やシール | 半年ごと |
| 6〜9歳 | 本人のリュック、履き慣れた靴、連絡先を書いたカード | 1年ごと |
| 10歳以上 | ほぼ大人と同じ。サイズと本人の意見を確認する | 1年ごと |
年齢で変わるのは、この表の真ん中の列だけです。飲み水と食べ物、明かり、体温を保つものは、年齢に関係なく要ります。数だけ人数分に増やしてください。
いちばん間隔が短いのは0〜1歳です。おむつのサイズもミルクの量も数か月で変わるので、備蓄というより、普段使っている分を多めに置いておくという考え方のほうが合います。
子ども自身に持たせるもの
- 飲み物 小さめのペットボトル1本
- 食べ慣れたお菓子 好きなものを本人に選んでもらいます
- ハンカチ・ティッシュ・マスク 子ども用のサイズ
- 連絡カード 名前、保護者の携帯番号、集合場所
- 小さなライト 首から下げられるものだと落としません
- お気に入りのものを1つ ぬいぐるみでもカードでもかまいません
重さの目安は本人の体重の1割くらいまで。背負って歩けるかを一度試してください。
持たせる理由は、荷物を分担するためではありません。自分の荷物があること自体が、待っているあいだの支えになります。中身が少なくてもかまわないので、本人のリュックとして用意してください。
選ぶときは一緒に選ぶのが確実です。親が入れたものは、本人が中身を覚えていません。一緒に入れておけば、何が入っているか自分で分かります。お菓子とお気に入りのものは、本人に決めてもらってください。
連絡カードは、油性ペンで書いてジッパー袋に入れておくと濡れません。携帯番号は、暗記していない年齢のうちは特に効きます。
親のリュックに入れる、子どもの分
子ども自身が持つ
- 飲み物1本
- 食べ慣れたお菓子
- ハンカチ・ティッシュ・マスク
- 連絡カード
- 小さなライト
- お気に入りのもの1つ
親のリュックに入れる
- 着替え一式(下着・靴下を多めに)
- おむつ・おしりふき・ミルク
- 子ども用の常備薬とお薬手帳のコピー
- 母子健康手帳のコピー
- 体温を保つもの(薄手のブランケット)
- 簡易トイレと携帯用の便座
重いもの・濡らせないもの・管理が要るものは、すべて親側に置きます。
母子健康手帳とお薬手帳は、コピーを1枚入れておくだけで十分です。原本を防災リュックに移すと、普段の通院で困ります。予防接種の記録とアレルギーの有無が分かるページを、コピーしてジッパー袋に入れてください。
着替えは下着と靴下を多めにしてください。上着は1枚あればしのげますが、下着と靴下は替えがないと厳しくなります。
見落としやすい3つ
1. 靴
子どもの靴はサイズがすぐ変わります。防災リュックの横に置いておいた靴が、いざというときに小さくて履けないということが起こります。
新しい靴を1足入れておくより、いま履いている靴をすぐ持ち出せる場所に置くほうが確実です。玄関に置いてあるものが、そのまま最新のサイズです。
2. トイレ
おむつが外れて間もない年齢では、大人用の簡易トイレは使えません。座面が大きすぎて、本人が怖がることがあります。携帯用の子ども便座か、洋式に載せる補助便座があると使えます。
必要な回数の数え方は簡易トイレは何回分いる?にまとめました。子どもは大人より回数が多くなりますので、人数分を単純に割らないでください。
3. 待っている時間
大人用の防災セットに入っていないのが、この3つめです。やることがない時間が、いちばん長くなります。
- シール 貼る場所は紙でも手でもかまいません
- 小さなノートと鉛筆 絵を描く、しりとりを書く
- トランプ 人数がいるときに時間を使えます
- 折り紙 軽く、かさばりません
電池も音も要らないものを2つか3つ。荷物にならない範囲で十分です。
ゲーム機やタブレットは、充電が続くあいだしか使えません。電気を使わないものを別に入れておいてください。
食べられるものを用意する
子どもは、知らない味のものを食べないことがあります。状況が落ち着かないときほどその傾向が強くなるので、非常食を選ぶときは「おいしいかどうか」より「普段これを食べているか」で見てください。
主食は、白いごはんに近いものがいちばん外しません。アルファ米には水だけで作れるものがあり、湯を沸かせない状況でも主食になります。味付きのものより、まず白飯を人数分そろえるほうが安全です。
食物アレルギーがある場合は、原材料の確認が要ります。ここは家族で共有できない部分なので、その子の分だけ別に用意しておくのが確実です。詳しくは非常食のおすすめは「おいしいもの」より「食べ慣れたもの」に書きました。
市販の子ども用セットを買うか、足すか
セットを買うほうが早い
- 家に防災グッズがほとんどない
- 何から揃えるか決められない
- リュックから用意する必要がある
いまのセットに足すほうが早い
- 大人用のセットがすでにある
- 子どもの分は着替えと食べ物が中心
- サイズが合うものを個別に選びたい
市販のセットは大人1人分が基本です。人数分そろえてから、子どもの分を足すのが分かりやすい順番です。
市販のセットを買う場合も、中身の一覧を先に見てください。子ども用の靴やマスクは入っていないことがほとんどなので、結局は足すことになります。
中身の一覧が公開されている例として、防災士厳選の39点セットがあります。防災士厳選の防災グッズ39点セット![]()
年1回、サイズと期限を見直す
日付を決めておくと続きます。誕生日や新学期など、覚えている日に合わせるのがおすすめです。
子どもの分は、大人の分より見直す間隔を短くしてください。大人は数年変わりませんが、子どもは1年で服も靴も合わなくなります。
よけたものは捨てずに、普段の生活で使ってしまうのが無駄になりません。食べ物は休日に食べ、電池は普段使いに回します。
よくある質問
Q. 何歳から自分のリュックを持たせられますか
A. 決まりはありませんが、自分で背負って歩けるようになってからが目安です。中身を減らせば早い年齢でも持てます。歩けない年齢のうちは、抱っこひもと親のリュックで分担してください。
Q. きょうだいがいる場合、全部を人数分そろえますか
A. 飲み物・食べ物・着替え・マスクは人数分が要ります。ライトやトランプなどは共有できます。連絡カードだけは必ず1人1枚にしてください。
Q. 保育園や学校に置いてある分は数えていいですか
A. 預けている時間に使うものなので、家の備えとは別に考えてください。何がどれだけ置いてあるかは園や学校によって違うので、一度確認しておくと重複を避けられます。
Q. 液体ミルクは常備しておくべきですか
A. 湯とほ乳びんの洗浄が要らないので、水が使えない状況では選択肢になります。ただし飲み慣れていないと飲まないことがあります。備える場合は、一度普段に飲ませて確かめておいてください。
まとめ
- 「子どもに何を買うか」ではなく「誰が持つか」から決める
- 大人用に足すのは、使えるサイズ・待ち時間の過ごし方・本人のリュックの3つ
- 連絡カードは1人1枚。名前と保護者の携帯番号をジッパー袋に入れて
- 靴は新品を寝かせず、いま履いているものを持ち出せる場所に置く
- 見直しは年1回。0〜1歳のあいだは3〜6か月ごと
全部をいちどにそろえる必要はありません。まず、子どものリュックを1つ用意して、本人と一緒に中身を入れる。そこから始めれば十分です。




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