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一人暮らしで防災グッズを調べると、家族向けの記事ばかり出てきます。人数分の水、人数分の非常食、リュックに詰める一式。それを1人分に割っても、必要なものにはなりません。
単身の部屋は置き場所が限られていて、しかも分担する相手がいません。この記事では、最低限これだけという範囲と、逆に買わなくていいものをはっきり書きます。
結論:一人暮らしは「自宅で3日」から始める
- 水を3日分 1人1日3Lが目安。2Lのペットボトルで5本ほど
- 食べ物を3日分 9食。うち何食かは加熱なしで食べられるもの
- 明かり 手が空くもの(ヘッドライトかランタン)
- スマホの電源 モバイルバッテリー1つ。普段から充電しておく
- 簡易トイレ 水が止まると自宅でいちばん先に困ります
水の量は内閣府が示している目安(1人1日3L)から計算したものです。
この5つが揃っていれば、建物が無事な場合に自宅で数日しのげる状態になります。リュックを買うのは、そのあとで構いません。
家族向けの記事を、そのまま1人分に割らない
単身と世帯とで、いちばん違うのは持ち出すか、自宅にとどまるかの比重です。
単身の住まいは集合住宅が多く、建物が無事なら自宅にとどまる形になりやすい傾向があります。すると、リュックに詰めて背負うものより、部屋に置いておくもののほうが先に要ります。順番が逆になります。
もうひとつは置き場所です。ワンルームには、防災用の棚を作る余裕がありません。置く場所から先に決めて、そこに入る分だけ買うという順番のほうが、現実に置き切れます。
そして、分担できません。世帯なら誰かが持っていれば足りるものも、単身では自分で持つしかありません。逆に言えば、数を人数で掛けなくてよいぶん、総額は抑えられます。
水と食べ物、実際にどれくらいの量か
3L
9L(2Lボトル5本弱)
21L(2Lボトル11本)
内閣府は最低3日分、可能であれば7日分を目安として示しています(出典: 内閣府「防災情報のページ」)。飲用と調理を合わせた量です。
3日分の9Lは、2Lのペットボトルなら5本弱です。玄関やベッドの下に置けば収まる量なので、まずここを埋めてください。7日分の21Lはワンルームだと厳しいので、置ける分までで構いません。
食べ物は1日3食で計算すると3日で9食です。専用の非常食で全部を揃える必要はなく、普段の買い置き(レトルト・缶詰・カップ麺)がそのまま数に入ります。数えてみたら足りていた、ということもよくあります。
足りない分を買うときは、加熱しなくても食べられるものを何食か混ぜてください。停電と断水が重なると、湯を沸かすこと自体が手間になります。主食を長期保存のもので押さえるなら、水だけで作れるアルファ米が数を合わせやすい選択肢です。
置き場所がないときの分け方
1か所にまとめようとすると入り切りません。分けたほうが、置ける量が増えます。
防災用の箱を1つ作ろうとすると、たいてい途中で場所が足りなくなります。用途ごとに置く場所を変えるほうが、部屋の広さに関係なく収まります。
水と食べ物は、専用の棚を作らずに普段の収納へ入れてください。切り離すと存在を忘れ、期限が切れます。普段から食べて買い足す形にすれば、期限切れがほぼ起きません。
停電と断水、先に効くのはどちらか
単身の部屋で先に困るのは、多くの場合断水のほうです。停電は明かりとスマホの充電でしのげますが、水が止まるとトイレが使えなくなります。
そしてトイレは待てません。水と食べ物は数時間なら我慢がききますが、こちらはききません。優先順位としては、モバイルバッテリーより先に簡易トイレです。
必要な回数の数え方は簡易トイレは何回分いる?にまとめました。1人分なら、まず3日分から始めれば十分です。
ワンルームで気をつけたいのは、使ったあとを置いておく場所が、生活する場所と同じだという点です。戸建てのように屋外の物置へ出すことができません。回収が来るまでの数日を、同じ部屋で過ごすことになります。においを抑えるものを一緒に置いておけるかで、その数日の過ごしやすさが変わります。
電気のほうは、スマホが充電できれば当面はしのげます。冷蔵庫まで動かしたい場合はポータブル電源の話になりますが、単身の3日分ならモバイルバッテリーで足りることが多いです。容量の考え方はポータブル電源は防災用に何Wh必要?にまとめました。
買わなくていいもの
後回しでよい
- 大容量のポータブル電源(まずモバイルバッテリー)
- 発電機・カセットコンロの大量のボンベ
- ヘルメット(保管場所を取ります。折りたたみ式なら別)
- 人数分を想定した大型の防災セット
- 長期保存パンなどの「非常食専用」食品を大量に
先に要る
- 水3日分(9L)
- 加熱なしで食べられるもの
- 簡易トイレ
- ヘッドライトかランタン
- モバイルバッテリーと充電ケーブル
- 履き慣れた靴を玄関に
「あると便利」で買うと、ワンルームは置き場所から先に破綻します。
市販の防災セットは、たいてい大人1人分を想定して作られています。一人暮らしなら、この点では相性がいいです。ただし中身は「持ち出す」に寄っているので、自宅にとどまる場合に要るもの(水・簡易トイレ)は別に足すことになります。
買う前に中身の一覧を見て、家にあるものを引いてください。ライトもマスクも軍手も、すでに持っていることがあります。
1人分を想定して作られた市販セットの例として、防災士が厳選したセットがあります。中身の一覧を見て、家にあるものを引く材料にしてください。防災士厳選の防災グッズ39点セット![]()
一人暮らしで見落としやすい3つ
1. 現金
停電すると、カードも電子マネーも使えないことがあります。小銭を含めて少し置いておくと、その日の買い物ができます。金額は大きくなくて構いません。
2. 連絡先を紙で持つ
電話番号をスマホにしか入れていないと、充電が切れた時点で誰にも連絡できません。家族と、いざというときの連絡先を数件、紙に書いて財布に入れておいてください。
3. 「無事」を伝える手段
一人暮らしで意外と効くのがこれです。連絡がつかないと、離れて住む家族が様子を見に来ようとします。移動しづらい状況では、それ自体が負担になります。
災害用伝言ダイヤル(171)や各社の災害用伝言板は、毎月1日と15日などに体験利用ができます。一度使っておくと、当日に手順を調べずに済みます。
買う順番
一度に揃えようとすると金額が大きくなります。分けて買えば、普段の買い物の範囲で収まります。
順番に意味があるのは、途中で止まっても困らないようにするためです。水から始めれば、そこで止まっても水はあります。リュックから買うと、中身が空のまま止まります。
こんな方には向かないかもしれません
別の記事のほうが合います
- 家族と同居している(人数分の計算が要ります)
- 戸建てで、停電時に冷蔵庫や暖房まで動かしたい
- 実家の親の備えを考えている
この記事の内容で足ります
- 集合住宅で1人暮らし
- まず何から買えばいいか決まっていない
- 置き場所が限られている
家族分の計算は家族4人の防災セット、離れて暮らす親の話は実家の親に防災の備えをさせるにまとめました。
よくある質問
Q. 防災リュックは買ったほうがいいですか
A. 水と食べ物と簡易トイレが揃ってからで構いません。自宅にとどまる場合には使いません。買う場合は、普段使っているリュックに中身を入れる形でも足ります。
Q. 3日分と7日分、どちらに合わせますか
A. まず3日分です。置ける余裕があれば、水だけ7日分に増やすのが効率的です。水がいちばん重く、いちばん代わりがききません。
Q. 賃貸でも大きな家具を固定していいですか
A. 壁に穴を開けない方法(突っ張り棒、粘着マット、L字金具の代わりになる転倒防止板)があります。寝る場所に倒れてくるものがないかだけは、一度見ておいてください。
Q. 期限の管理が面倒です
A. 専用の棚を作らず、普段の食品と同じ場所に置いて、古いものから食べて買い足す形にすると管理が要らなくなります。年1回、数を数える日だけ決めておけば十分です。それでも止まってしまう場合は、「動けない日」を基準に置き換える方法が向いています。
まとめ
- 単身は「持ち出す」より「自宅で数日」が先。リュックは後回しでよい
- 水は1人1日3L。まず3日分=9L(2Lボトル5本弱)
- 先に効くのは断水。簡易トイレはモバイルバッテリーより優先
- 1か所にまとめず、玄関・枕元・普段の収納の3か所に分ける
- 大容量の電源より、モバイルバッテリー1つ。買わないものを決めると置き切れます
全部をいちどに揃える必要はありません。次の買い物で、2Lの水を5本。そこから始めれば十分です。





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