非常食のおすすめは「おいしいもの」より「食べ慣れたもの」|選び方の4つの基準

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「非常食はおいしくない」という印象を持っている方は多いと思います。実際、以前の非常食は保存性が最優先で、味は二の次でした。いまは種類も増え、普通においしいものもあります。

ただ、おいしさだけで選ぶと、結局は食べずに期限が切れます。この記事では、選び方の基準と、買ったあと無駄にしない回し方をまとめます。

結論:この4つで選べば外しません

図:非常食を選ぶ4つの基準

  • おいしいものより「食べ慣れたもの」を優先する
  • まとめ買いの前に、1つ買って食べてみる(味は好みです)
  • ローリングストックで回す(買う→食べる→買い足す)
  • アレルギーと持病は家族ごとに違う。ここだけは共有できません

4人家族で3日分なら36食。数の計算は下の表にあります。

買っても食べずに終わるのは、だいたいこの3つ

  • 「非常食」として特別な棚にしまい、普段の食事と切り離してしまう
  • まとめ買いしたあとで口に合わないと分かり、そのまま置いてある
  • 期限を確認する日を決めていない

どれも味の問題ではなく、置き方と買い方の問題です。

「おいしい」より「食べ慣れている」を優先する理由

災害のあとは、環境が変わって食欲が落ちることがあります。そういうときに食べられるのは、味が優れたものよりいつも食べているものです。

子どもや高齢の家族がいる場合は特にそうで、知らない味のものは、状況が落ち着かないうちほど手がつきません。「非常食としておいしいか」ではなく「普段これを食べているか」で選ぶほうが、結果的に減ります。

具体的には、普段食べているものの長期保存版を探すという順番になります。レトルトのカレー、インスタントの汁物、缶詰、好きなお菓子。特別なものを買い足すのではなく、置き換えると考えると選びやすくなります。

必要な数は「1人1日3食 × 日数」

図:3日分だと何食いるか
9食
18食
27食
36食
1人暮らし
2人
3人
4人家族

内閣府は最低3日分、可能であれば7日分を目安として示しています(出典: 内閣府「防災情報のページ」)。

世帯 3日分 7日分
1人暮らし 9食 21食
2人 18食 42食
3人 27食 63食
4人家族 36食 84食

数が多く見えますが、全部を専用の非常食で揃える必要はありません。普段の買い置き(レトルト・缶詰・乾麺)が、そのまま日数のうちに数えられます。

種類ごとの向き不向き

種類 調理 向いている場面
アルファ米 水またはお湯を注ぐ 主食。個包装で数を合わせやすい。長期保存のものが多い
レトルト そのままか湯せん おかず。普段の味に近いものを選びやすい
缶詰 不要 加熱できないときの主力。開けてすぐ食べられる
お菓子・栄養補助食品 不要 食欲が落ちたときや、子どもが落ち着かないとき

加熱できない前提のものを、必ず何食分か入れておいてください。停電と断水が重なると、湯を沸かすこと自体が手間になります。缶詰やそのまま食べられるものが混ざっていると、その日をしのげます。

主食を長期保存のもので押さえるなら、アルファ米が数を合わせやすい選択肢です。水でも作れるものがあり、湯が使えない状況でも主食になります

ローリングストックで回す

図:ローリングストックの回し方
1
多めに買う
普段の買い物で、いつもより少し多めに買います
2
古いものから食べる
専用の棚を作らず、普段の食品と同じ場所に置きます
3
食べた分を買い足す
減ったら補充する。これだけです
4
年1回、数を数える
足りているか確認する日を決めておきます

「非常食」という特別な棚を作らないことが、いちばんのコツです。切り離すと存在を忘れます。

この方法なら期限切れがほぼ起きません。普段から食べているので味も分かっていますし、買い足すたびに中身が新しくなります

まとめ買いの前に、1つ食べてみる

味の好みは人によって違います。レビューで評価が高くても、家族の口に合うとは限りません。

気になったものを1つだけ買って、休日に食べてみてください。そのうえで気に入ったものをまとめて買うと、失敗がありません。作り方も一度やっておけば、当日に説明書きを読まずに済みます。

子どもがいる家庭では、一緒に食べておくと効果が大きいです。知っている味なら、状況が落ち着かないときでも食べられます。

アレルギーと持病がある場合

ここだけは家族で共有できません。食物アレルギーがある場合、非常食の原材料は必ず確認してください。アレルギー対応をうたった製品もあります。

持病で食事に制限がある方(塩分・たんぱく質・糖質など)は、普段の制限に合うものを、その人の分だけ別に用意しておくのが確実です。配給されるものが合うとは限りません。

お薬手帳のコピーを非常食と同じ場所に入れておくと、食事と薬の情報がまとめて持ち出せます

図:家族で分けられるもの/分けられないもの

その人の分を別に用意する

  • 食物アレルギーがある家族の食品
  • 塩分・たんぱく質・糖質などの制限がある家族の食品
  • 常用薬とお薬手帳のコピー

家族で共有できる

  • 主食(アルファ米・パンの缶詰)
  • 缶詰・レトルトのおかず
  • お菓子・栄養補助食品

配給されるものが制限に合うとは限りません。合うものを、その人の分だけ確保しておくのが確実です。

買う前に確認する5項目

図:買う前に見るところ

  • 賞味期限が何年か 買った時点で残り何年かを見ます
  • 水で作れるか、お湯が要るか 湯が使えない前提のものを混ぜておきます
  • 加熱なしで食べられるものが何食あるか 停電と断水が重なる場合に効きます
  • 原材料(アレルギー) 家族ごとに違います
  • 1食あたりの量 「1袋=何人前」を見ないと数がずれます

5番は見落としやすいところです。「30食セット」と書かれていても、1袋が2人前のことがあります。

こんな方には向かないかもしれません

図:専用の非常食を買うか、普段の買い置きで回すか

買い足さなくてよい

  • 普段からレトルトや缶詰を多めに置いている
  • 自炊が多く、乾物や米の在庫がある
  • 数を数えたら足りていた

買い足したほうがよい

  • 外食や中食が中心で、家に食料の在庫が少ない
  • 加熱なしで食べられるものが家にない
  • 家族の人数分を計算したことがない

よくある質問

Q. 賞味期限が切れたらすぐ捨てるべきですか

A. 賞味期限は「おいしく食べられる期間」の目安で、消費期限とは違います。ただし保存状態によって変わるので、見た目やにおいに異常があれば無理をしないでください。期限切れを出さないためにも、ローリングストックが確実です。

Q. 水はどれくらい必要ですか

A. 1人1日3Lが目安とされます(飲用と調理を合わせて)。アルファ米を水で作る場合もここから使うので、食事の分を別に見ておくと足りなくなりません。

Q. カセットコンロは必要ですか

A. あると食べられるものの幅が広がります。ただしボンベにも使用期限があります。製造から数年を目安としているメーカーが多いので、こちらも年1回の確認対象に入れてください。

Q. ペットの食事はどうすればいいですか

A. 人間の非常食とは別に、普段食べているフードを数日分用意してください。避難所で配給されるとは限りません。

まとめ

図:この記事の要点

  • 「おいしい非常食」を探すより、普段食べているものの長期保存版を探す
  • 1人1日3食 × 日数。4人家族の3日分で36食
  • 加熱なしで食べられるものを必ず何食か入れる(停電と断水が重なる場合)
  • まとめ買いの前に1つ食べてみる。味は好みです
  • 専用の棚を作らない。普段の食品と同じ場所に置いて回します

全部をいちどに揃える必要はありません。次の買い物で、いつもより少し多めに買う。そこから始めれば十分です。

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防災備蓄おじさん/防災備蓄ナビ

2011年の東日本大震災で両親が被災し、1週間を車の中で過ごしました。当時、実家には備蓄が何もありませんでした。それをきっかけに、東京の自宅と実家で同じものを備蓄し、気づいたことを共有してきました。その過程で分かったことをまとめています。

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