戸建ての停電対策|蓄電池の見積もりで迷わないための4つの準備

戸建ての停電対策と蓄電池の見積もりについて解説する記事のタイトル画像 防災家電

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台風のあとに何時間か停電して、「次はもう少しちゃんと備えておこう」と思ったことはないでしょうか。冷蔵庫の中身、スマホの充電、夏場なら扇風機。復旧を待つあいだ、意外と細かいところで困ります。

そこで蓄電池を調べ始めると、多くの人が同じところでつまずきます。価格の幅が広すぎて、自分にとって高いのか安いのか分からないという壁です。

結論:この4つを決めてから見積もりを取れば、比べられます

先に結論を書きます。蓄電池の見積もりは、次の4つを決めてから依頼すると比較できる形で返ってきます。

  1. 全負荷型か、特定負荷型か(停電中にエアコンを使いたいか)
  2. 必要な容量(kWh)(検針票で自宅の実績を見ておく)
  3. 太陽光をどうするか(すでに載せているか/これから載せるか)
  4. 必ず複数社から取る(蓄電池には定価がありません)

ここまでで足りる方は、この先を読まずに見積もりへ進んでいただいて構いません。以下はそれぞれの中身の説明です。

図:見積もりを取る前に決める4つ

1

全負荷か特定負荷か
停電中にエアコンを使いたいかで決まります
2

容量(kWh)
検針票で自宅の実績値を見ておきます
3

太陽光をどうするか
すでに載せているか、これから載せるか
4

複数社から取る
蓄電池には定価がありません

4つとも決まっていないと、会社ごとに構成が変わって横に並べられません。

なぜ蓄電池の見積もりは比べにくいのか

調べ始めた方がつまずくのは、だいたいこの3つです。

  • 同じ「家庭用蓄電池」なのに、100万円台から300万円近くまで幅がある
  • どの会社の見積もりも構成が違っていて、横に並べられない
  • 補助金の話が出てくるが、自分が使えるのかどうか分からない

これは価格をごまかしているからではなく、前提条件が決まっていないと構成が組めない商品だからです。前提をこちらで決めておけば、比較できる見積もりが返ってきます。

なお、この記事は特定の機種をすすめるものではありません。

停電のとき、実際に困るのはどこか

まず前提を整理します。内閣府は家庭での備蓄について、最低3日分、可能であれば7日分を目安として示しています(出典: 内閣府「防災情報のページ」)。水や食料はこの目安で用意できますが、電気だけは「買い置き」ができません。

停電時に電気が要る場面を挙げると、だいたい次の4つに分かれます。

場面 必要な電力の性質
スマホ・ノートPCの充電 小さい電力・長時間
照明 小さい電力・長時間
冷蔵庫 中くらいの電力・止められない
エアコン・電子レンジ・IH 大きい電力・短時間

このうち上2つは、モバイルバッテリーでもかなりカバーできます。分かれ目になるのは冷蔵庫を動かし続けたいか、そしてエアコンを使いたいかです。ここが「ポータブル電源で足りるのか、蓄電池が要るのか」の分岐点になります。

ポータブル電源と蓄電池は、別のものです

言葉が似ているので混同されがちですが、位置づけがかなり違います。

ポータブル電源 家庭用蓄電池
設置 不要。買ってすぐ使える 工事が必要(分電盤につなぐ)
価格帯の目安 数万円〜20万円台 100万円前後〜(構成による)
動かせるもの つないだ家電だけ 家の回路ごと(全負荷型なら家中)
賃貸 使える 基本的に不可
補助金 対象外 自治体・国の補助制度の対象になることがある

つまり、賃貸の方や「スマホと照明さえ確保できれば十分」という方は、蓄電池を検討する必要がありません。この記事を読まずにポータブル電源の記事へ進んでいただいたほうが早いです。

蓄電池が選択肢に入るのは、持ち家の戸建てで、停電中も冷蔵庫やエアコンを動かしたい場合、そして太陽光発電をすでに載せているか、これから載せる予定がある場合です。

準備1:全負荷型か、特定負荷型か

  • 特定負荷型 — あらかじめ決めた回路だけが停電時に生きる。冷蔵庫とリビングの照明だけ、といった構成。安くなる
  • 全負荷型 — 家全体が生きる。エアコンも使える。高くなる

「停電中にエアコンを使いたいか」で、ほぼ決まります。

図:全負荷型と特定負荷型

特定負荷型

  • 決めた回路だけ停電時に生きる
  • 冷蔵庫とリビングの照明など
  • 安くなる

全負荷型

  • 家全体が生きる
  • エアコンも使える
  • 高くなる

「停電中にエアコンを使いたいか」で、ほぼ決まります。

準備2:容量(kWh)をどう考えるか

一般的な家庭の1日の電力使用量は10kWh前後とされますが、これは在宅時間や世帯人数で大きく変わります。検針票やアプリで自宅の実績値を見ておくと、営業担当と話が早く進みます。

なお容量の数字がそのまま使えるわけではありません。放電できる下限が設定されているため、実際に使える量はカタログ値より少なくなります。この点を説明してくれるかどうかは、業者を見る一つの目安になります。

準備3:太陽光をどうするか

蓄電池だけを入れるのか、太陽光とセットにするのかで総額も回収年数も変わります。すでに太陽光を載せていて卒FIT(固定価格買取期間の終了)が近い場合は、売電せず自家消費に回す前提で試算が変わります。

図:容量の考え方

1

検針票を見る
月々の使用量(kWh)は電力会社のアプリでも確認できます
2

在宅時間で変わる
同じ世帯人数でも、日中に家にいるかどうかで必要量が変わります
3

カタログ値=使える量ではない
放電できる下限があるため、実際に使える量は少なくなります

この点を説明してくれるかどうかは、業者を見る一つの目安になります。

準備4:必ず複数社から見積もりを取る

蓄電池は定価がない商品です。同じメーカーの同じ機種でも、工事費・保証・アフターの内容が会社ごとに違い、総額が変わります。1社だけの見積もりでは、その金額が妥当かどうか判断する材料がありません。

複数社の見積もりを一度に取れるサービスがいくつかあります。いずれも見積もり自体は無料で、その場で契約する必要はありません。

エコ発蓄電池で複数社の見積もりを取る

補助金については、国の制度と自治体の制度が別々にあり、年度ごとに内容も予算枠も変わります。見積もりを依頼するときに「自分の自治体で使える制度があるか」を合わせて確認するのが確実です。

どの制度が使えるかを調べるところから始めたい場合は、補助金の情報をまとめているサービスもあります。

自分の地域で使える補助金を調べる

見積もりを依頼する前に確認する5項目

依頼フォームを開く前に、この5つを手元に用意しておくと話が早く進みます。

# 確認すること どこで分かるか
1 月々の電気使用量(kWh) 検針票、または電力会社のアプリ
2 停電中にエアコンを使いたいか 家族と相談して決める
3 太陽光が載っているか/載せる予定か 載っている場合は設置年とFIT終了年も
4 分電盤の位置と、屋外の設置スペース 写真を撮っておくと早い
5 連絡方法の希望(電話かメールか) 申し込みフォームで選べることが多い

3番の設置スペースは見落とされがちです。屋外設置型はエアコンの室外機ほどの場所が必要になるため、実際に置けるかを先に見ておくと、見積もり後に振り出しに戻らずに済みます。

図:見積もり依頼の前に手元に用意するもの

  • 月々の電気使用量(kWh) 検針票または電力会社のアプリ
  • 停電中にエアコンを使いたいか 家族と相談して決める
  • 太陽光の有無 ある場合は設置年とFIT終了年も
  • 分電盤の位置と屋外の設置スペース 写真を撮っておくと早い
  • 連絡方法の希望 電話かメールか

屋外設置型はエアコンの室外機ほどの場所が必要です。置けるかを先に見ておくと、見積もり後に振り出しに戻りません。

こんな方には向かないかもしれません

  • 賃貸にお住まいの方 — 工事ができません。ポータブル電源をご検討ください
  • 停電時にスマホと照明が確保できれば十分という方 — 費用に対して過剰です
  • 数年以内に引っ越す予定がある方 — 回収期間を考えると割に合いにくくなります
  • 今すぐ結論だけ知りたい方 — 蓄電池は自宅の条件で答えが変わるため、見積もりを取らずに決めるのは難しい商品です
図:蓄電池が向く家/向かない家

向かないかもしれない

  • 賃貸にお住まいの方(工事ができません)
  • スマホと照明が確保できれば十分な方
  • 数年以内に引っ越す予定がある方

検討する価値がある

  • 持ち家の戸建て
  • 停電中も冷蔵庫やエアコンを動かしたい
  • 太陽光をすでに載せている/載せる予定

よくある質問

Q. 見積もりを取ると、しつこく営業されませんか A. 会社によります。一括見積もりサービスは連絡方法(電話・メール)を選べることが多いので、申し込み時に確認してください。

Q. 停電したとき、自動で切り替わりますか A. 自動切替に対応した機種と、手動で切り替える機種があります。見積もり時に確認しておきたい項目のひとつです。

Q. 何年くらい使えますか A. メーカーは通常サイクル数で寿命を示しています。保証年数と保証の対象範囲(本体のみか、工事も含むか)は会社によって差が出るところです。

Q. 太陽光がないと意味がないですか A. 太陽光がなくても、夜間の安い電力を貯めて昼に使う運用はできます。ただし停電が長引いた場合、太陽光がないと貯めた分を使い切ったらそこまでになります。

まとめ

蓄電池は自宅の条件で答えが変わる商品です。この記事の要点は4つです。

図:この記事の要点

  • 賃貸の方、スマホと照明で足りる方は、蓄電池ではなくポータブル電源で十分
  • 全負荷か特定負荷か/容量/太陽光の3点を先に決めると、比較できる見積もりが出てくる
  • 定価がない商品なので、複数社から取って並べる
  • 検針票と設置スペースの写真を手元に用意してから依頼する

見積もりは無料で、取ったからといって契約する必要はありません。まず相場の感覚をつかむところから始めるのが現実的です。

ここまで決められていれば、蓄電池の検討としては一区切りです。あとは実際の金額を見て、家計と相談して決める段階になります。

エコ発蓄電池で見積もりだけ取って比較する

使える補助金があるか確認する

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このサイトを書いている人

防災備蓄おじさん/防災備蓄ナビ

2011年の東日本大震災で両親が被災し、1週間を車の中で過ごしました。当時、実家には備蓄が何もありませんでした。それをきっかけに、東京の自宅と実家で同じものを備蓄し、気づいたことを共有してきました。その過程で分かったことをまとめています。

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