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台風のあとに何時間か停電して、「次はもう少しちゃんと備えておこう」と思ったことはないでしょうか。冷蔵庫の中身、スマホの充電、夏場なら扇風機。復旧を待つあいだ、意外と細かいところで困ります。
そこで蓄電池を調べ始めると、多くの人が同じところでつまずきます。価格の幅が広すぎて、自分にとって高いのか安いのか分からないという壁です。
結論:この4つを決めてから見積もりを取れば、比べられます
先に結論を書きます。蓄電池の見積もりは、次の4つを決めてから依頼すると比較できる形で返ってきます。
- 全負荷型か、特定負荷型か(停電中にエアコンを使いたいか)
- 必要な容量(kWh)(検針票で自宅の実績を見ておく)
- 太陽光をどうするか(すでに載せているか/これから載せるか)
- 必ず複数社から取る(蓄電池には定価がありません)
ここまでで足りる方は、この先を読まずに見積もりへ進んでいただいて構いません。以下はそれぞれの中身の説明です。
4つとも決まっていないと、会社ごとに構成が変わって横に並べられません。
なぜ蓄電池の見積もりは比べにくいのか
調べ始めた方がつまずくのは、だいたいこの3つです。
- 同じ「家庭用蓄電池」なのに、100万円台から300万円近くまで幅がある
- どの会社の見積もりも構成が違っていて、横に並べられない
- 補助金の話が出てくるが、自分が使えるのかどうか分からない
これは価格をごまかしているからではなく、前提条件が決まっていないと構成が組めない商品だからです。前提をこちらで決めておけば、比較できる見積もりが返ってきます。
なお、この記事は特定の機種をすすめるものではありません。
停電のとき、実際に困るのはどこか
まず前提を整理します。内閣府は家庭での備蓄について、最低3日分、可能であれば7日分を目安として示しています(出典: 内閣府「防災情報のページ」)。水や食料はこの目安で用意できますが、電気だけは「買い置き」ができません。
停電時に電気が要る場面を挙げると、だいたい次の4つに分かれます。
| 場面 | 必要な電力の性質 |
|---|---|
| スマホ・ノートPCの充電 | 小さい電力・長時間 |
| 照明 | 小さい電力・長時間 |
| 冷蔵庫 | 中くらいの電力・止められない |
| エアコン・電子レンジ・IH | 大きい電力・短時間 |
このうち上2つは、モバイルバッテリーでもかなりカバーできます。分かれ目になるのは冷蔵庫を動かし続けたいか、そしてエアコンを使いたいかです。ここが「ポータブル電源で足りるのか、蓄電池が要るのか」の分岐点になります。
ポータブル電源と蓄電池は、別のものです
言葉が似ているので混同されがちですが、位置づけがかなり違います。
| ポータブル電源 | 家庭用蓄電池 | |
|---|---|---|
| 設置 | 不要。買ってすぐ使える | 工事が必要(分電盤につなぐ) |
| 価格帯の目安 | 数万円〜20万円台 | 100万円前後〜(構成による) |
| 動かせるもの | つないだ家電だけ | 家の回路ごと(全負荷型なら家中) |
| 賃貸 | 使える | 基本的に不可 |
| 補助金 | 対象外 | 自治体・国の補助制度の対象になることがある |
つまり、賃貸の方や「スマホと照明さえ確保できれば十分」という方は、蓄電池を検討する必要がありません。この記事を読まずにポータブル電源の記事へ進んでいただいたほうが早いです。
蓄電池が選択肢に入るのは、持ち家の戸建てで、停電中も冷蔵庫やエアコンを動かしたい場合、そして太陽光発電をすでに載せているか、これから載せる予定がある場合です。
準備1:全負荷型か、特定負荷型か
- 特定負荷型 — あらかじめ決めた回路だけが停電時に生きる。冷蔵庫とリビングの照明だけ、といった構成。安くなる
- 全負荷型 — 家全体が生きる。エアコンも使える。高くなる
「停電中にエアコンを使いたいか」で、ほぼ決まります。
特定負荷型
- 決めた回路だけ停電時に生きる
- 冷蔵庫とリビングの照明など
- 安くなる
全負荷型
- 家全体が生きる
- エアコンも使える
- 高くなる
「停電中にエアコンを使いたいか」で、ほぼ決まります。
準備2:容量(kWh)をどう考えるか
一般的な家庭の1日の電力使用量は10kWh前後とされますが、これは在宅時間や世帯人数で大きく変わります。検針票やアプリで自宅の実績値を見ておくと、営業担当と話が早く進みます。
なお容量の数字がそのまま使えるわけではありません。放電できる下限が設定されているため、実際に使える量はカタログ値より少なくなります。この点を説明してくれるかどうかは、業者を見る一つの目安になります。
準備3:太陽光をどうするか
蓄電池だけを入れるのか、太陽光とセットにするのかで総額も回収年数も変わります。すでに太陽光を載せていて卒FIT(固定価格買取期間の終了)が近い場合は、売電せず自家消費に回す前提で試算が変わります。
この点を説明してくれるかどうかは、業者を見る一つの目安になります。
準備4:必ず複数社から見積もりを取る
蓄電池は定価がない商品です。同じメーカーの同じ機種でも、工事費・保証・アフターの内容が会社ごとに違い、総額が変わります。1社だけの見積もりでは、その金額が妥当かどうか判断する材料がありません。
複数社の見積もりを一度に取れるサービスがいくつかあります。いずれも見積もり自体は無料で、その場で契約する必要はありません。
補助金については、国の制度と自治体の制度が別々にあり、年度ごとに内容も予算枠も変わります。見積もりを依頼するときに「自分の自治体で使える制度があるか」を合わせて確認するのが確実です。
どの制度が使えるかを調べるところから始めたい場合は、補助金の情報をまとめているサービスもあります。
見積もりを依頼する前に確認する5項目
依頼フォームを開く前に、この5つを手元に用意しておくと話が早く進みます。
| # | 確認すること | どこで分かるか |
|---|---|---|
| 1 | 月々の電気使用量(kWh) | 検針票、または電力会社のアプリ |
| 2 | 停電中にエアコンを使いたいか | 家族と相談して決める |
| 3 | 太陽光が載っているか/載せる予定か | 載っている場合は設置年とFIT終了年も |
| 4 | 分電盤の位置と、屋外の設置スペース | 写真を撮っておくと早い |
| 5 | 連絡方法の希望(電話かメールか) | 申し込みフォームで選べることが多い |
3番の設置スペースは見落とされがちです。屋外設置型はエアコンの室外機ほどの場所が必要になるため、実際に置けるかを先に見ておくと、見積もり後に振り出しに戻らずに済みます。
- 月々の電気使用量(kWh) 検針票または電力会社のアプリ
- 停電中にエアコンを使いたいか 家族と相談して決める
- 太陽光の有無 ある場合は設置年とFIT終了年も
- 分電盤の位置と屋外の設置スペース 写真を撮っておくと早い
- 連絡方法の希望 電話かメールか
屋外設置型はエアコンの室外機ほどの場所が必要です。置けるかを先に見ておくと、見積もり後に振り出しに戻りません。
こんな方には向かないかもしれません
- 賃貸にお住まいの方 — 工事ができません。ポータブル電源をご検討ください
- 停電時にスマホと照明が確保できれば十分という方 — 費用に対して過剰です
- 数年以内に引っ越す予定がある方 — 回収期間を考えると割に合いにくくなります
- 今すぐ結論だけ知りたい方 — 蓄電池は自宅の条件で答えが変わるため、見積もりを取らずに決めるのは難しい商品です
向かないかもしれない
- 賃貸にお住まいの方(工事ができません)
- スマホと照明が確保できれば十分な方
- 数年以内に引っ越す予定がある方
検討する価値がある
- 持ち家の戸建て
- 停電中も冷蔵庫やエアコンを動かしたい
- 太陽光をすでに載せている/載せる予定
よくある質問
Q. 見積もりを取ると、しつこく営業されませんか A. 会社によります。一括見積もりサービスは連絡方法(電話・メール)を選べることが多いので、申し込み時に確認してください。
Q. 停電したとき、自動で切り替わりますか A. 自動切替に対応した機種と、手動で切り替える機種があります。見積もり時に確認しておきたい項目のひとつです。
Q. 何年くらい使えますか A. メーカーは通常サイクル数で寿命を示しています。保証年数と保証の対象範囲(本体のみか、工事も含むか)は会社によって差が出るところです。
Q. 太陽光がないと意味がないですか A. 太陽光がなくても、夜間の安い電力を貯めて昼に使う運用はできます。ただし停電が長引いた場合、太陽光がないと貯めた分を使い切ったらそこまでになります。
まとめ
蓄電池は自宅の条件で答えが変わる商品です。この記事の要点は4つです。
- 賃貸の方、スマホと照明で足りる方は、蓄電池ではなくポータブル電源で十分
- 全負荷か特定負荷か/容量/太陽光の3点を先に決めると、比較できる見積もりが出てくる
- 定価がない商品なので、複数社から取って並べる
- 検針票と設置スペースの写真を手元に用意してから依頼する
見積もりは無料で、取ったからといって契約する必要はありません。まず相場の感覚をつかむところから始めるのが現実的です。
ここまで決められていれば、蓄電池の検討としては一区切りです。あとは実際の金額を見て、家計と相談して決める段階になります。
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