本ページはプロモーションを含みます。
分電盤を開けて、2つだけ見てください。主幹が「漏電ブレーカー」かと、洗濯機や冷蔵庫のそばにアース付きのコンセントがあるかです。両方あれば、コンセントに差すだけで家全体の電気を落とすタイプが工事なしで使えます。どちらかが無ければ、おもりやバネでレバーを落とす簡易タイプ(内閣府の資料で約3〜4千円)です。
消防庁の資料には、感震ブレーカーが広がらない理由として「どの製品を選べばよいか分からない」「取付が難しい」「賃貸住宅で原状回復との兼ね合いで設置できない」が並んでいます。この3つに、分電盤の2点で答えます。
分電盤の2点で、使えるタイプが決まる
あなたの家で工事なしに使えるタイプ
| 主幹の漏電ブレーカー | アース付きコンセント | 使えるタイプ | 家全体を切れるか | 揺れてから切れるまで |
|---|---|---|---|---|
| あり | あり | コンセント差込型(主幹を落とす) | 切れる | 製品による(3分待つものあり) |
| あり | なし | 簡易タイプ(おもり・バネ) | 切れる | 揺れと同時 |
| なし | どちらでも | 簡易タイプ(おもり・バネ) | 切れる | 揺れと同時 |
| 持ち家で分電盤を替える | ― | 分電盤タイプ(内蔵型・工事) | 切れる | 3分後 |
| 医療機器を使っている | ― | コンセントタイプ(その口だけ)+別の電源 | 切らない口を残せる | 製品による |
2点の確かめ方
漏電ブレーカー:分電盤のいちばん大きいスイッチ(主幹)の本体に「漏電」の表示と、漏電表示ボタンやテストボタンがあるか。コンセント差込型は、主幹が定格感度電流30mA以下の漏電ブレーカーであることを条件にしています(各メーカーの仕様)。
アース付きコンセント:差し込み口の下にアース端子(ネジ)があるか、3つ穴か。洗濯機・冷蔵庫・電子レンジのまわりに付いていることが多い場所です。アースをつながないと動かない製品です。
タイプ別|何を買って、どう付けるか
1. コンセント差込型|工事なしで家全体を切る。条件は2点
アース付きコンセントに差し込み、揺れを感知するとアース側へ信号を流して主幹の漏電ブレーカーを落とす仕組みです(エコミナミ「瞬断」の説明)。内閣府の資料で「感震リレータイプ」(約2〜4万円・電気工事が必要)と呼ばれるものと同じ考え方を、工事なしで差すだけにしたものです。
賃貸でも付けやすいのはこの型で、アイリスオーヤマの新製品は「分電盤工事が難しい賃貸住宅でも設置できます」と書いています。大和電器の「震太郎」は震度5強相当で3分後に主幹を落とし(避難時の照明のため)、家屋の急な傾きを感知したときは待たずに落とします。テスト機能付きで、付けた日に動作を確かめられます。
2. 簡易タイプ|おもり・バネでレバーを落とす。どの家でも付けられる
内閣府の資料では「おもりが落下したり、振り子が作動することで、重力やバネの力でブレーカーを落とす補助器具」、価格は約3〜4千円。電気工事は要らず、自分で付けられます。漏電ブレーカーでなくても、アースが無くても使えます。
注意は2つです。内閣府は「設置の方法の適切性やブレーカーとの適合性に依存する場合があることから、確実に動作することを確認する必要がある」としています。付けたら一度、説明書どおりに作動を試してください。もう1つは揺れと同時に切れること。夜の地震では照明が一緒に消えます。
枕元の懐中電灯のおすすめ(簡易タイプとセットで)
揺れと同時に真っ暗になるので、枕元に懐中電灯を1本。これは単3電池1本で点く型で、停電が長引いても電池を替えれば使い続けられます(公式ページの表記:最大300ルーメン、IPX8防水)。個数の決め方は防災用の明かりは懐中電灯とランタン、両方いる?必要な個数とルーメンの目安に。
価格・在庫・色は公式ページでご確認ください
3. 分電盤タイプ|持ち家で分電盤を替えるなら。揺れて3分後に切れる
分電盤にセンサーが入った型で、内閣府の資料で約5〜8万円・電気工事が必要。「地震発生後3分間は電力供給を確保」するので、その間に明かりをつけて避難したり、電気製品を切ったりできます。分電盤の交換やリフォームのときに、電気工事店に「感震機能付きの分電盤で」と頼むのが一番手間の少ない入れ方です。
4. 医療機器を使っている家|全部は切らない
家全体を切る型は、在宅酸素や人工呼吸器も止めます。内閣府の資料は、コンセントタイプなら「医療機器、避難用照明等、地震時においても電気供給が必要な機器の供給を継続しつつ、電熱器具等についての供給を遮断する」ことができるとしています。電気ストーブや熱帯魚のヒーターなど倒れたら火が出る機器の口だけをコンセントタイプにして、医療機器は別の電源で守る組み方です。
ポータブル電源(医療機器・冷蔵庫の電源を別に持つ)
感震ブレーカーで家を切っても、この電源は動き続けます。容量の決め方はポータブル電源は防災用に何Wh必要?家電別に計算する早見表に。公式サイトは次のとおりです。
根拠1|地震の火災は、電気から出る
消防庁は「地震火災は、地震の揺れによる建物や設備の損傷が原因で発生する火災の総称です。電気に起因する火災が特に多く発生しています。地震直後だけでなく、停電後の復電時など時間が経ってから起こることもあります」としています。埼玉県の資料では、東日本大震災の本震による火災のうち原因が特定されたものの過半数が電気火災でした(日本火災学会)。
電気が戻ったとき、倒れた電気ストーブや傷んだコードから火が出る。住む人が避難して家にいないと、誰も消せません。人がいなくても電気を切っておくための道具が感震ブレーカーです。
根拠2|設置率が上がると、焼ける家が減る
感震ブレーカーの設置率と、国の試算
| 調査・想定 | 数字 |
|---|---|
| 首都圏の戸建て住宅の設置率(内閣府・2024年調査) | 危険密集地域 30.5%/それ以外 20.3% |
| 首都直下地震の想定(2025年12月) | 設置率が20%→50%で火災の焼失棟数が約3割減、100%で約7割減 |
| 南海トラフ地震の想定 | 推進地域の設置率約8.5%→100%で焼失棟数が5割減 |
首都直下地震では、東京都の想定で死者6,148人のうち2,482人が火災です(首都直下地震の備え|東京都想定は死者6,148人のうち火災2,482人。感震ブレーカー・家具固定・在宅避難1週間を、賃貸でもできる順に)。国の試算では、全部の家が付けると焼ける家が7割減ります。
根拠3|内閣府の4分類と価格
内閣府「感震ブレーカー等の種類、特徴等について」より
| 種類 | 価格の目安 | 電気工事 | 切れる範囲 | 揺れてから |
|---|---|---|---|---|
| 分電盤タイプ | 約5〜8万円 | 必要 | 家全体 | 3分後 |
| 感震リレータイプ(外付け) | 約2〜4万円 | 必要(漏電ブレーカーが条件) | 家全体 | 3分後 |
| コンセントタイプ | 約5千〜2万円 | 必要なものと不要なものがある | そのコンセントだけ | 製品による |
| 簡易タイプ | 約3〜4千円 | 不要 | 家全体 | 揺れと同時 |
1番の「コンセント差込型(主幹を落とす)」は、この表の感震リレータイプと同じ仕組みを工事なしにしたもので、価格はメーカーの店頭価格(オープン価格)です。内閣府の性能評価ガイドラインの基準(250ガル・周期0.5秒で作動、80ガル・周期0.3秒で作動しない)に準拠と表示している製品があるので、仕様欄に「ガイドライン準拠」があるかを見ると選びやすくなります。
付けたあと|揺れがおさまったら
- 家を離れるときは、感震ブレーカーが作動していなくても主幹を手で切る
- 戻したら、電気製品のそばに燃えるものがないか、水をかぶっていないかを見る
- 使わない電気製品のプラグを抜いてから、主幹を上げる
- 焦げたにおいや煙があれば上げずに、電力会社か電気工事店へ
- 説明書にある頻度で、テスト機能や手順どおりに作動を確かめる
こんな方には向かないかもしれません
- オール電化で、停電すると給湯も暖房も止まる家。切れること自体は正しい動作なので、その間の電気はポータブル電源か蓄電池で用意してから付けてください(戸建ての停電対策|蓄電池の見積もりで迷わないための4つの準備)
- すでに感震機能付きの分電盤が入っている家。分電盤の表示に「感震」とあれば、足すものはありません。枕元の明かりを確かめてください
よくある質問
Q. 感震ブレーカーの設置費用はいくらですか
内閣府の資料で、簡易タイプ約3〜4千円、コンセントタイプ約5千〜2万円、感震リレータイプ約2〜4万円(工事)、分電盤タイプ約5〜8万円(工事)です。工事なしで家全体を切るなら、簡易タイプかコンセント差込型です。
Q. 補助金はありますか
あります。消防庁の調査(2025年度)で、住民の購入・設置を支援している市区町村は260(全体の15%)、前の年の200から増えています。都道府県では13。対象の型と、申請が購入前か後かが自治体ごとに違うので、買う前に「(区市町村名) 感震ブレーカー 補助」で確認してください。
Q. 賃貸でも付けられますか
工事の要らない簡易タイプとコンセント差込型なら付けられます。貼り付けるタイプは、退去時にはがせるかを説明書で確かめ、気になるときは管理会社に一言伝えておくと後で困りません。
Q. 誤作動しませんか
トラックの振動や扉の開け閉めで落ちないよう、製品ごとに条件があります。たとえばアイリスオーヤマの製品は「設定した震度の揺れが0.3秒以上継続し、かつ震度4相当以上の揺れが3秒以上継続する場合に作動」としています。仕様欄の作動条件と「ガイドライン準拠」の表示で選んでください。
Q. 夜に作動したら真っ暗になりますか
簡易タイプは揺れと同時に切れるので、なります。分電盤タイプや一部のコンセント差込型は揺れてから3分待ちます。どちらにしても停電で点く足元灯と、枕元の懐中電灯を置いてください。
まとめ
- 分電盤で「主幹が漏電ブレーカーか」「アース付きコンセントがあるか」を見る。両方あればコンセント差込型、どちらかが無ければ簡易タイプ
- 簡易タイプは約3〜4千円・工事なし・揺れと同時に切れる。付けたら一度作動を試す
- 持ち家で分電盤を替えるなら感震機能付き分電盤(約5〜8万円・3分後に切れる)
- 医療機器がある家は、電熱器具の口だけコンセントタイプにして、医療機器は別の電源で
- 首都圏の戸建ての設置率は約2割。国の試算では全部の家が付けると火災で焼ける家が7割減る
分電盤のふたを開けて2点を見るのは、5分かかりません。型が決まれば、その週末に付けて作動を試すところまで終わります。あとは枕元に懐中電灯を1本置けば、夜中に揺れても、留守中に揺れても、電気から火が出る心配は小さくなります。
この記事で確認した一次情報
- 内閣府「感震ブレーカー等の種類、特徴等について」(大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会 資料4)……4分類、価格の目安、電気工事の要否、3分間の猶予、医療機器、簡易タイプの動作確認
- 消防庁「感震ブレーカー」(住宅防火関係)……電気に起因する火災、復電時の火災、4タイプ、自治体の支援
- 消防庁「感震ブレーカーに関するこれまでの取組状況と課題」……普及が進まない理由(製品選び・取付・賃貸)
- 消防庁「感震ブレーカーの普及推進について」(2026年3月)……首都圏の設置率(内閣府2024年調査)、首都直下・南海トラフの焼失棟数の試算
- 消防庁「感震ブレーカー普及推進フォローアップ調査結果(令和7年度確定版)」……購入・設置を支援する市区町村260(15%)、都道府県13
- 埼玉県「感震ブレーカー」……東日本大震災の本震火災の原因特定分の過半数が電気火災(日本火災学会)、簡易タイプは工事不要
- 大和電器「感震ブレーカー 震太郎」、エコミナミ「瞬断」、アイリスオーヤマ「感震ブレーカー(ブレーカー遮断タイプ)」、リンテック21「ヤモリ」……作動条件、主幹漏電ブレーカー・アース付きコンセントの条件、3分後遮断、ガイドライン準拠の表示
- 北陸電力送配電「漏電遮断器を調べる」……漏電遮断器と漏電表示ボタン



コメント